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今年は梅雨も早々に明け、暑い日々がつづきます。
みなさま水分は十分に取っていますでしょうか?
夏場は自分が思っている以上に汗や不感蒸泄(皮膚や呼吸で出ていく水分)として水分を消費します。
特に高齢となると、喉の渇きを感じにくくなるため、脱水症をおこしやすくなります。
室内にいても、熱中症や脱水症になることはご存知の通り。
とにかくこまめにしっかりと水分をとるようにしましょう。
ここで専門的な話を一つ。
当院は内科と循環器内科を標榜しておりますので、慢性心不全といって心臓の働きが悪い患者様が多くいらっしゃいます。
心不全の患者様の夏場の水分管理は、実に難しいのです。
心不全の治療の原則は、①飲水制限と、②塩分制限です。
過度の飲水や塩分は心臓の負担となり、心不全増悪を来し、全身に水がたまり、浮腫や呼吸困難を引き起こすからです。
心不全患者様の推奨飲水量は、心機能にもよりますが、1日1200-1500ml以内のことが多いです。
心機能が著しく悪い場合は1000ml/日以内に抑えていただく場合もあります。
夏場だから、水分と塩分をいつもより多めに摂らなきゃ、と意気込み、
塩飴やスポーツ飲料(実は塩分濃度が極めて高い!)を多めに摂取して、
心不全が悪くなってしまった・・・、という患者様をこれまでに何度も見てきました。
その反面、夏場でも厳格に飲水制限を実践し、心不全治療薬の一つの利尿剤と相まって、
高度な脱水症となり、腎機能が急激に悪くなってしまった患者様も幾度となく見てきました。
一人一人の心不全患者様によって飲水制限量は全く違います。
それは個々の心機能や腎機能であったり、
ライフスタイル(涼しい室内にいることが多いのか、外での仕事が多いのか)によって変わってきます。
ただ一つ言えるのは、一度に多量の水を飲むと心臓の負担になるので、
こまめに少しずつ飲むということが大切です。
暑い夏は始まったばかり。これから本番です。
元気に乗り切りましょう。